星野源が好きです。
ファンになったのは1年半くらい前(2015年夏)なので、全然ファン歴は浅いけども、今年の1月のライブ「YELLOW VOYAGE」も行ったし、だいたいのシングル・アルバム・ライブBlu-rayなどは聞いているし、出演映画も本も見ているし、インストバンドのSAKEROCKも聞いてたりする。あまり特定のアーティストにハマる事はないので、こう書いていて自分でもびっくりする。すげぇな。
そんな僕が「逃げ恥」の平匡さんからファンになったであろう人に、星野源の魅力を伝えるため、今日から3日間連続で「星野源論」という形で、主観的な魅力をお伝えしていこうと思います。
なぜ星野源を好きになったのか
今を遡ること1年半前、2015年夏。
2014年の年末から続く長めのプロジェクトや、楽天市場のトップページのデザインを新しいものに変更したり、楽天ふるさと納税のデザイン面での立ち上げをしたりなど、ハードな日常を過ごしていたので、それがすべて終わった2015年8月、軽い「燃え尽き症候群」になってました。
ボーナスの査定の面談中、上長に「いや〜もう心の力がないので今年は働けないかも〜」と言って呆れられたという(よくクビにならなかったな…)。そのくらい心身ともどっしりと疲れが凄かったんです。
そんな時、たまたま「2015 FNSうたの夏まつり」に出演していた星野源をはじめて見まして。(すでにドラマとかに出ていた時期だったのですが、一切存在を知らなかったという…)
第一印象は「このチョッキ着て歌ってる、今っぽいようなそうでもないような人は、一体どなた!?」という感じでした。
ちなみにこの記事のタイトル画像は、うたの夏祭りで着ていた衣装をモチーフに、星野源の本「そして生活はつづく」の表紙のゆるめテイストをオマージュして描いてみました。この本、面白いのでぜひ読んでみてください。
星野源の魅力は「弱った心に響く、弱っている歌詞たち」
星野源のアルバムは現在(2016年12月時点)4枚出ています。
現在売れに売れている「恋」や、去年のスマッシュヒットである「SUN」などは、結構明るめの曲調なので意外かもしれませんが、1stアルバム「ばかのうた」と2ndアルバム「エピソード」は物凄いローテンションな「片想い、失恋や別れ、老後/人生」などを想起させる曲が多いんです。
このグラフのように1stと2ndアルバムはかなり「失恋濃度」が高い。3rdアルバムのStrangerから徐々に失恋が過去形になってきて、4thのYELLOW DANCERからは時折昔の恋を思い出すような曲や、明るめの曲が多くなります。
「FNSうたの夏まつり」を見た後、試しにレンタルしてみたときに、「うわ!曲!めっちゃ暗っ!」となりました。しかしその暗さが妙にそれが癖になるというか不思議な感じ
その癖になるポイントは「失恋っぽい曲なのに“好き”とか“愛してた”とかそういう直接的キーワードがない」ところなんじゃないかと思っています。そういう動詞がない事で失恋以外のいろんな悲しい状況に当てはめられるんですよね。「自分を客観的にみてちょっぴり自虐的に語っている」事も、当時の僕的にはポイントが高かった(偉そう)。
落ち込んでいるときに聴くと、落ち込む内容に寄り添って、感情を冷静にさせてくれてくれる、そんな効果が星野源の音楽にはあると思います。(1stと2ndアルバムは特に)
クリスマス直前に別れてしまった貴方に贈る「星野源の失恋ソング5選+1」はこれだ!
前フリが長かったですが、個人的なおすすめ失恋ソングを5つご紹介します。好きな曲が多すぎてかなり選ぶのに苦労しました。(あくまで個人的な選出なので異論ある方ごめんなさい!)
1.ばらばら(1stアルバム「ばかのうた」収録)
代表的な失恋ソング過ぎて逆にファンの人に怒られそうなセレクト。これは星野源が壮絶に振られたときに作った曲です。詳しくはitunesのサンプルを聞いていただけたらと思いますが、本っっ当に歌詞が悲しくて良い。一部歌詞を引用しますと、
気が合うと見せかけて 重なり合っているだけ
本物はあなた 私は偽物
恋愛って「振られたもん負け」。振られた方が自分を偽物なんだと思うしかない。悲しいけれどほんとそう。でも人が存在するだけ人生があり、それぞれの世界を生きていて、重なりあっただけでも奇跡なんだなと。そういう内容がのんびりとしたリズムでほんと心にしみる一曲です。
2.くせのうた(1stアルバム「ばかのうた」収録)
これは厳密に言うと失恋の事ではなく片想いの歌かもしれません。聞く人の状況次第でいろんな風に聞きとれる内容だと思います。「好きな人に聞くに聞けない、切ない想い」が伝わる曲。好きな部分の歌詞をちょっと引用すると、
同じような 記憶がある
同じような 日々を生きている
寂しいと叫ぶには
僕はあまりにくだらない
自虐、来ましたね。
人と過ごすという事はその人と同じ時間を共有するということ。他の誰ともその記憶は共有できない。そういうのって宝物ですよね。(書いてて恥ずかしくなってきた)
PVもめちゃいい感じです。玉川沿いの風景。ぜひ見てみてください。
3.くだらないの中に(2ndアルバム「エピソード」収録)
これも聞く人によって歌詞のとらえ方が違う曲です。失恋した人は「仲のよかった時間」のことを思い出すかもしれません。落ち込むときはとことん落ち込んだ方がいい。そんで良かったことはきちんと「思い出の1ページ」にした方がいい。しかし首筋って本当にパンの匂いがするじゃない、なんでだろ、すごい不思議。下記のyoutubeの星野源のギターの上手さにも要注目です。
星野 源 - くだらないの中に 【Live from “YELLOW VOYAGE”】
4.生まれ変わり(3rdアルバム「Stranger」収録)
3rdアルバムからのチョイスですが、これは切ないくらいのド直球の失恋ソングです。今はもう、振り向いてくれない人を想って歌っています。
何度も何度も繋いだ手が いつまでも輝けばいいな
何度も何度も掴んだ背中はもう 前を向いたまま
生まれ変わりがあるのなら 人は歌なんて歌わないさ
笑い声 遠くに逃げて 子供の僕はさようなら
よく失恋の記事とかで「自分で自分を責める行為はあんまり良くないからマインドフルネス(瞑想)とかやりなさい」って言われるけど、曲調が穏やかだし、そういうのに近いのかも。おだやかに落ち込んじゃいましょう。
5.ミスユー(4thアルバム「YELLOW DANCER」収録)
4thアルバムからのチョイスです。これは失恋ソングではありますが、昔の思い出を回想しているような曲です。今は楽しい毎日を送っていても、ふと寝る前とか朝起きた時に昔を思い出して、思わずぼーっとするような切なくなる歌詞になっています。
4thアルバム「YELLOW DANCER」はこういう「過去の恋愛を乗り越えていく」というテーマの曲が多いかもしれない。「Week End」とか特に出だしからそんな感じ。なので失恋した人は1stと2ndを聞いて思いっきり落ち込んだ後、4thアルバムを聞くととっても元気になれると思います。ちょいと歌詞を引用します。
時が過ぎ 風が運ぶように歩きだし
痛みが消えていく度
消えるあの人を見た 始まりの景色
+1の曲は「再会の曲」
これで5つ出そろったわけですが、あと一つ「Stranger」を選びたいと思います。
この曲は3rdアルバムのStrangerのシークレットトラックとしてこっそり収録されている曲で、宅録のノイズ交じりのアコースティックギターで演奏した曲。
内容は再会の曲です。彼女の事がわからないという感じの「知っている人の中に内在する他人のような部分」を歌っています。曲とはしてはすごく短いけれど、とても好きな曲。一部だけ引用します。
朝日が ツバメが 雲を切る
また会えるなんて 奇跡みたいだ
人生は良いことと悪い事のくりかえしなんじゃないかな
失恋とか片想いとかってめっちゃ辛い。
- 胃が痛くなってご飯とか食べられなくなる
- お酒に逃げて、胃と肝臓を悪くする
- たばことか吸って体を痛めつけて現実逃避
こういう感じで「心のストレス解消」という投げやりな気持ちから、負の連鎖のような無茶をしてしまいがちです。
そんな時、音楽という「波(ウェイブ)」を浴びることは体と心にとてもいいと思います。もしこの記事を読んで星野源を聞いてくれて、ちょっとでも心の負担が減るのならとても嬉しい。「恋」もいいけど「失恋ソング」もいいぞ!ぜひ聞いてみてね。
今回の記事を書こうと思ったもうひとつの理由
今週のお題「私のブログ・ネット大賞2016」を見た時、ドラマ「逃げ恥」開始以降によくネットで見られた「星野源が男性に人気がない」という内容の2ちゃんねるの書き込みや、週刊誌の記事に一矢報いたかったというのがあります。
男でもけっこうファンはいると思うよ!コンサートにめっちゃいたもん!
そんな男性にはぜひライブDVD / Blu-rayを見てほしい。こんだけギターが弾けて、ライブで声も枯らさずに22曲を熱唱する星野源を見たら「こいつマジかっこいいな」と思うはず。
うちに遊びに来た友人にはもれなく見せていますが、もれなくみんな結構好きになってくれます(迷惑だったらすいません)。特におすすめなのはYELLOW DANCER初回限定盤についてきた「ひとりエッジ」のライブ映像です。
でもこの映像ディスク付の初回限定盤は、今とんでもなくプレミアがついていてAmazonでも2万円越え(2016年12月現在)という感じです。どんどん値上がっている…すごい。下にリンクを貼っておきますが…眺めるだけ眺めてみてください。
ほんとにおすすめなので、気になったお友達は我が家に見に来てください!
以上、今回はこんな感じで。次回は星野源のカバー曲について書こうと思ってます。ではでは、どっとはらい。
次の記事書きましたので、こっちも読んでね!