寒いので風邪を引きました。
そんな時は、布団にくるまってお気に入りの漫画を読んだりするのが、最っっ高の贅沢ですよね。(そんな事ない?)
というわけで今回は、自宅の本棚から「個人的におすすめな女性漫画家さん」を5人、ご紹介したいと思います。気になるのがあったらぜひ漫画喫茶とか電子書籍で読んでみてね。
異国の物語と色男を描かせたら天才的「オノ・ナツメ」先生
オノ・ナツメ先生は、僕の神様と言っても過言ではない尊い存在。
2003年に「COMIC SEED!」という不世出(失礼)の無料オンライン漫画雑誌があったんですが、そこで連載していた「LA QUINTA CAMERA(ラ・クインタ・カーメラ)」を見て以来、もうずーーっとファンです。同人誌も持ってる。
LA QUINTA CAMERAは、イタリアのアパートを舞台にしたルームシェアのメンバーが織りなす物語。シンプルな絵で、老若男女いろいろな住人たちの心の機微を描いた素晴らしい作品です。優しさにあふれた内容で読んで癒されます。
LA QUINTA CAMERA―5番目の部屋 (IKKI COMIX)
- 作者: オノ・ナツメ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/07/28
- メディア: コミック
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オノさんは僕より1歳年上で世代も近しいし、オノさんのお父さんはトライアスリートとのことで、同じくトライアスロンをやってる僕は一方的にシンパシー感じてます。
ちなみに僕のニックネームの「テオ」は、自分の本名を短く切ってもじったものなんですが、オノ・ナツメさんの作品「リストランテ・パラディーゾ」に出てくる、寡黙で不器用なドルチェ職人の「テオ」からも頂いています。
リストランテ・パラディーゾは、老眼鏡をかけた紳士たちが働くレストランの物語。「GENTE」という続編があって、そちらにテオを主人公にした片思いの話が載っています。
オノさんの描く「男性」は本当にかっこよく、話す言葉や所作もとてもセクシー。こんな男性になれたらええなー。
ちなみにオノさんの作品「ACCA13区監察課」が、今年1月からテレビでアニメ放映されています。原作に比べてちょっとアニメのほうがスタイリッシュな雰囲気。今回のブログの表紙のポスターはアニメの番宣ポスターです。カックイイ。
原作はアニメが始まる直前に完結したので、是非是非どちらも見てみてください。
ACCA13区監察課 コミック 1-5巻セット (ビッグガンガンコミックススーパー)
- 作者: オノ・ナツメ
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2016/05/25
- メディア: コミック
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多感なジェンダー男子&女子の恋愛を描かせたら最高「志村貴子」先生
志村さんの作品と出会ったのは1998年ごろの10台終盤ごろ。コミックビームで連載していた「敷居の住人」という漫画でした。
主人公は「女の子に間違われるくらいの美少年」なんですが、口も態度も悪く、未成年なのにタバコも吸う、すげー最悪な感じのヤツ。そんな主人公と周りの友達・大人たちが織りなす、ちょっと変わった日常系漫画です。
2000年にご本人からもらったサイン。本棚にちゃんと飾っております。
志村先生の作品は、日常系や女子プロレス、宝塚風女子校ものなど、いろいろバリエーション豊富に描かれているのですが、その中核をなすテーマは「不安定な男女の恋愛」みたいなものだったりします。
2002年から2013年まで連載していた「放浪息子」は、女の子になりたい男の子と男の子になりたい女の子の恋愛模様を小学校から高校まで描いた話。多感な時期を乗り越えて、いろいろな人たちと触れ合い、少年少女たちが大人になっていく全15巻のストーリー。得てしてこういう話は重いテーマになりがちですが、絵柄の軽快さとコマの間の演出が抜群で、気が重くならず気持ちよくサラサラと見れる作品です。
放浪息子 コミック 全15巻完結セット(BEAM COMIX)
- 作者: 志村貴子
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
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鎌倉の女子校を舞台にした「青い花」。女子同士の恋愛観みたいなものは男の僕にはわからない部分もあるけれど、友達と恋人のはざまで揺れ動く主人公の気持ちは見ていて胸がじんと熱くなります。個人的に志村貴子作品だとこれが一番好き。水彩タッチの表紙の絵もスゲーいい感じです。イラスト集もオススメ。
柔らかく美しい輪郭線と丁寧に紡ぐ言葉が魅力の「近藤聡乃」先生
こちらの「A子さんの恋人」。間違いなくここ2年で一番ハマっている漫画です。
ちょっと優柔不断な漫画家のA子さんと、女子に人気の実演販売員のA太郎、そしてニューヨークに住む翻訳家Aくんの3人が織りなす不思議な三角関係の話です。アラサー男女は見たらものすごく共感できると思います。タラレバ娘の次はこれがドラマ化されてもおかしくないと思う。
近藤さんの魅力は「美しくきれいでふくよかな輪郭線」。絵のうまい人がさらさらっと描いているような、いい意味で気の抜けた美しい線が見ていて本当に気持ちいい。
あとねー、近藤さんの手書きのセリフ文字がとっても美しいんですよ。自分はほんっとうに文字が汚いので憧れます。
ニューヨークで考え中 - 市役所にて その二 | ウェブマガジン「あき地」
近藤さんにハマったきっかけは、この「ニューヨークで考え中」というエッセイ漫画。NYに住んでいる近藤さんが「海外で日本人が暮らすということ」をゆるく、小気味よく、等身大の目線で語っています。
「A子さんの恋人」はNYが舞台という事もあり、近藤さんご本人の実話もけっこう混ざってるんじゃないかなーとも思ったり。最近ご結婚されたのですが「おめでたい!」と同時に「これがA君なんか?!」と勝手に盛り上がっております。
どういう形かわからないけど、いつか一緒にお仕事したいなーなんて思ってます。
エッセイ漫画家と見せかけた本格派「かわかみじゅんこ」先生
「不思議の海のナディア」の影響で、小学校のころからパリが好きだったんですが、そんなパリ好きな僕の知的好奇心を満たしてくれたのが、かわかみじゅんこ先生の「パリパリ伝説」。
2004年からずっとフランスにお住まいのかわかみ先生が語るパリは決して派手ではないけど、最近のテロの話から、パリで良く使われているクラシファイドWebサービスの話まで、とっても今っぽくて日常感溢れていてほんわかします。激ゆる!
この「パリパリ伝説」はすごいラフ感のある画調なのですが、ちゃんとしっかり描きこんでる作品も面白いです。家族の都合でパリに転校する話の「パリの鈴木家」やフランス人の女の子の日常を描く「日曜日はマルシェでボンボン」もオススメ。もしパリパリが気に入ったら合わせて見てみて下さい。
静かに淡々と伝わる熱意、セリフがない雄弁さ「池辺葵」先生
この「プリンセスメゾン」は、漫画が好きな友人から最近教えてもらったもの。
女性が1人で自分の理想のマンションを買う話なのですが、静かな画調から伝わる主人公の秘めた熱意と、主人公のマンション購入のサポートをする友人たちのそっとした優しさが、不思議な化学反応を起こしている漫画です。
セリフがもの凄く少ないのですが、コマとコマの間からつたわる空気感が、セリフ以上の物語を雄弁に伝えてきてくれます。心の底がじんわり暖かくなるような、そんな物語。まだ三巻でてないし今から買うとしたら超おすすめ。ドラマ化もされたよ!めでたいね!
おすすめの女性漫画家さん、まだまだたくさんおります
今回は、僕に絶大なる影響を与えた5人に絞ってご紹介しましたが、まだまだおすすめの女性漫画家さんはたくさんおります。
- 「聲の形」の 大今良時先生
- 「IPPO」「クシュラル」のえすとえむ先生
- 「昭和元禄落語心中」「いとしの猫っ毛」の雲田はるこ先生
実はこの作品群、すべて電子書籍で購入してて「表紙の写真が撮れない」という理由で今回載せていません!しかし!おススメです!
聲の形 コミック 全7巻完結セット (週刊少年マガジンKC)
- 作者: 大今良時
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/12/17
- メディア: コミック
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というわけで今回は、布団の中からiPhoneを駆使して、いろんな漫画さんをご紹介してきました。もしこのブログを見ている皆さんの中で「この漫画もおススメだよ!」というのがありましたら教えてくださるとうれしいです。
体がだるいので、料理がおっくうになり、土鍋いっぱいに大根とこんにゃくと卵を、醤油としょっつるで煮込んでみました。茶色すぎる。みなさんも風邪にはくれぐれ気を付けてください。ではでは~どっとはらい。