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「70歳のNikonレンズ」を買った話

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 こんにちは、テオです。カメラが好きでいつもパシパシ撮影してます。

そんな僕の愛機はSONYのα7II。

理由は幾つかあって、SONYが好きだから(SONY製デジカメは5代目)と、画質が自分好みだから。そして1番の理由は「色々なメーカーの新旧レンズが使えるから」です。

 

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1979年 Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.7 と α7IIの組み合わせ。凛々しい。

 「古いレンズなんて今のレンズより性能がおとるんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、実は昔のレンズって「画質本位」な設計で、シンプルで質実剛健なものが多く、各メーカー独自の技術で工夫を凝らした個性的なものが多いのです。

 

最新のレンズは、素材が軽量化されたり、日光に強くなっていたり、オートフォーカスがすごく早かったりと、とても進化しているけれど、「沢山の光を取り込んでいい写真を撮る」という基本的な機能は、昔のレンズも負けてはいないんです。

 

そんな「写りが良くて伝説になったレンズ達」は、「名玉(めいぎょく)」と呼ばれ、発売から何十年経っても、中古市場ではあまり値崩れせずに販売されています。

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夜でも撮影できる!という意味から名前がつけられたといわれる、1977年製 ノクトニッコール(Noct-NIKKOR 58mm F1.2 )の価格は、なんと38万円前後という高値です。

 

古いゆえにオートフォーカスもできないものも多いのですが、α7 IIを始め最近のカメラには、そんなレンズを使うためのさまざまな補助機能が搭載されていて、比較的狙い通りにフォーカスを合わせて撮ることができるようになっています。

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ここからは個人的な感想なのですが、古いレンズは光に弱く、輪郭がソフトにぼけたりしてしまいます。でもそれは、人を撮影するときにとても良い味になったりするんですよね。

また最新鋭のカメラと、レトロな昔のレンズを組み合わせた風貌が、とってもかわいく愛おしい。そんな「他の人とは違うこだわりを所有をする魅力」がかなりあるのではないかと思っています。

 

前置きが長くなりましたが。
今回はそんな、ある1つの古いレンズとの出会いのお話をしていきます。


小さくて古いレンズが欲しかった2年前の自分

昔のレンズを今のカメラで使うには「マウントアダプタ」と呼ばれる部品が必要です。

これは各レンズメーカーで違う「レンズとカメラの距離」を調整するものなのですが、レンズメーカーによってその大きさがだいぶ違うのです。

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ヤシカコンタックス(通称ヤシコン)と、ライカLマウントの違いの図。

ヤシコンのマウントはかなり大きくかさばったので、気軽に散歩に持っていけるような、小さくてかわいいライカLマウント用のレンズが欲しいな〜と思っていました。


古いレンズを買いに行こう

古いレンズを販売する専門店は、都内だと銀座や新宿などに幾つかあります。

僕がよく行くのは「大貫カメラ」という、横浜の野毛という街にあるお店です。ここは家からも近いので、よく散歩の途中でたち寄ったりしてます。

www.camera-ohnuki.com

大貫カメラさんは、販売してる古いレンズのメンテナンスもしっかりとしていて、購入するときはお店のカメラとアダプタで写り具合を試させてもらえたりもします。(マウントアダプタは全メーカーあるわけではないと思いますので、事前にお店の人に確認してみてください)

 

古いレンズは楽天ヤフオクなどでも買えますが、最初はお店に行って、ネットでは分かりにくいレンズの外観を見たり、自分のカメラとの相性などお店の人に聞いたりすると、安心して好みのものを買うことができると思います。


ニコンNIKKOR-H・C 5cm f/2」との出会い

そんな大貫カメラの店員さんに「小さくて持ち運びのしやすいライカLマウントのレンズが欲しいんです」と伺ってみたところ、紹介してもらったのが「NIKKOR-H・C 5cm f/2」でした。これはニコンがまだ自分たちでカメラを作らず、ライカ用のレンズを作っていた時代のものです。

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見た目のコンパクトさは元より、ダブルヘリコイドという機能で、撮影する被写体に寄れるマクロ撮影(っぽい使い方)もできるレンズ。古いレンズは被写体に寄って撮影できるものがとても少なかったりするので「おおー!めずらしい!」と唸った記憶があります。

メンテナンス済みで、テスト撮影の結果も良かったことから即このレンズを購入。価格は2年前当時21,000円。とってもお手頃価格でした。

 

お店では型番と大体の年式を教えてもらってたので、よりレンズを詳しく知ろうと、帰ってから自分で調べたところ、

  • 作られたのは1946年!今から70年前!(設計はなんと戦前の1935年!)
  • ニコンの戦後の復興に貢献した5本のレンズの1つ
  • 伝説のニコンのレンズ職人「村上三郎」氏が設計

という、すごい歴史を持ったレンズという事が判明したのです。f:id:aterato:20161026213850j:plain

www.nikkor.com

 

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www.nikkor.com

 

詳しくはこの「ニッコール千夜一夜物語」のページ(カメラ好きは必見です!)を見るとよくわかるのですが、軍需用の潜望鏡や双眼望遠鏡を作っていた時代から、レンズ職人の村上三郎氏が、「戦争が終わったらカメラのレンズを生産するんだ!」という想いで設計してたものみたい。

 

まさに平和の象徴とも言うべきレンズではないか…。

それが70年の時を経て今手元にあるのが、なんともロマンチック…。

まさかこのレンズも、モノクロ時代のライカではなく、21世紀に入ってデジタルカメラに装着されることを夢にも思ってなかっただろうて…。

てか、21,000円って安くない…?

 

それから2年間使い込んでみた

お散歩用に買ったこのレンズですが、写りも良くコンパクトで使いやすかったので、よく一緒に旅行にも持っていきました。

その中からいくつかをご紹介します。当時はNEX-6を使用していたので、それとの組み合わせの写真になります。データはJPEG撮影で取って出しをままリサイズした「無加工」の写真です。

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なかなかけっこう味のある写真が撮れてると思いませんか?

 

ニコンは来年、創業100周年

そんなニコンは2017年に100周年を迎えます。名実ともに日本の誇るビジョナリーカンパニーですね。

 

ニコンに詳しい知人から教えてもらったのですが、100周年を記念して、過去のニッコールレンズの名玉のエッセンスを詰め込んだレンズが発売されたそうです。

www.nikon-image.com

なかなかお高めですが、その分、最新性能の凄さ+名玉のロマンは確約済みだと思います。ニコンユーザーはぜひご購入されてみてはいかがでしょうか?

 

良いカメラとレンズは、時間を切り取るタイムマシンだと僕は思ってます。

スマホのカメラも手軽だし性能もどんどん上がっていますが、ぜひ一度、一眼レフカメラを買ってみたり、古いレンズを手にとって、組み合わせて使ってみて欲しいなと思います。

きっと世界が「少し」変わって見えるはず。

 

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